自由には二種類あるらしい~自由について(1)


少し前になるのですが、2019年の春から秋にかけて、LCL(Learning Creator’s Lab)という研修に参加しまして、

そこで3名の小学校教諭(蓑手さん、五木田さん、藤野さん)と一緒にチームを組んで、「自由・遊び・学び」についてグループワークをしました。

その際に作ったスライドをシェアしたいと思います。今回は自由についての第一回目です

「自由とは?」の深みにはまる

「学校にもっと自由を!」という問題意識で自由について威勢よく始めたのですが、やってみるとなんとなく浅い感じが。

自由ってどうしても感覚論で語られがちで、どうも人によって認識がかわってきちゃうということに気づいたのです。

今から思えばそこで引き返すべきでした。「やっぱ自由論でしょ?そしたら哲学でしょ?」となって。笑

 

哲学者って、頭が良すぎたり、思考がぶっ飛んだり、また難しく言うのが得意な人たちなので本当に苦労しました。

自分以上にわがままで話の長い昔のおっさんの本なので。

かるい気持ちで手にした「自由論の系譜」という日本語とは思えない文章と格闘したり。訳書も読んでられないので、哲学ベスト50冊みたいな本からつまみ食いしては結局わからずとか。

「自由を理解するためなのに不自由じゃないかぁ!」な思いをなんどもしました。(←一応、笑うところです)

 

そして、どうやら自由には二種類あるらしいということがわかりました。

ここで、一点、大きな留意点です。今回のスライドはとにかく単純化することでわかりやすさだけを追究しました。

頭の良い人たちの丁寧な議論を、素人が大幅にごっそり省いているので、この単純化によって沢山の大切なものがそぎ落とされます。詳しく知りたい方はご自分で調べてください。

ただ、大きく覚えておいて損がないのは、「邪魔をされない自由」と「自分で勝ち取る自由」があるのだな、ということです。

これにも色々と異論だらけのようですが…知らないよりマシということでご紹介します。

 

時間順に並べた登場人物です

先ほどの2種類の自由の内、消極的自由(干渉がない状態)に分類される人たちの意見。

私はバーリンの「すべきを促す」は「自由を犠牲に成り立つ」に共感します。

正しいことを言う人は人をコントロールしたがる、そんな気がしています。

こちらは、積極的自由(人格を磨いて自由になろう!)派の意見です。

そのほかの人の意見も入れました(フロムとかアーレントとか結構いけています)

色々考えることが大切かなあと思いました

個人的には、全体として「余計なお世話」な人が多いので、もうちょっと「消極的自由」が日本で進めばいいのにと考えています。

好き勝手ばかりだと不自由になるというのもわかります。が、かと言って「だから不自由で仕方ないんだよ」と言わんばかりの押付けは違うとも思うんです。この辺りのバランス難しいですが、もうちょっと緩めようよとは思います。

 

とは言え「消極的自由(不干渉)と積極的自由(自治)」にしても、二項対立でもないし、どちらかが全てを解決できる考えでもないと思います。

時の流れを見据えつつ、色々と考えて、議論して、解決していくことが大切なのでしょう。

 

印象論なのですが、日本は特に「自由」や「権利」に対して、社会としての経験値が小さいかもしれないと思います。

自由も、明治後にぼっと出てきて、大正デモクラシーとかで盛り上がって、全体主義に抑圧されて、戦後にまたぽっと新憲法として与えられたみたいな。欧米のように、自由を目的として血を流したとか、王様と議論をして勝ち取ったとか、対話をして方向性を変えたり調整したといった歴史が限られている。

なので、なんとなく自分も含めて議論が軽くて、現実にも与えられたものをただなんとなく運用している面がなかろうかと感じました。

自由は教育においても社会においてもとても大切なテーマです。でも、一筋縄ではいかない難しさもあります。

引き続き深掘りしたいです。

「自由について」のスライドシェア続きます。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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