教師へのいじめ事件へのモヤモヤ


「加害者が悪い(&被害者がかわいそう)」だけでは何も変わらない

神戸市立の小学校で起こった「教師へのいじめ」事件について、色々と議論がされています。

学校はある種の特殊環境であるという点は理解しつつ、やはり学校外の社会とのズレを感じるところもあります。

 

今回は加害者への批判が激しく、社会的制裁も大きいでしょうし(でも入院したりして逃げているし…政治家並みですね)、

教育委員会も退職を認めない(=懲戒にして、退職金を払わない)方向のようですね。

かと言って、私は「加害者が悪い(&被害者かわいそう)」で終わらせると、何も変わらないと思っていて、その辺りのモヤモヤについて書いてみたいと思います。

 

参考にしたのは以下の記事です

記事① https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20191011-00146359/?fbclid=IwAR1HxAteuwJEd2cjV1VOplP3LkF6eLFiP66_aT9rHRvhTwxwZfn3-GtP8Ng

記事② https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20180817-00093407/

記事③ http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/jugyo/2019/10/post-e921af.html?fbclid=IwAR2P5fSKKYAbfwO-AkDXBim63x6KhxmccrfYgexAHwOsI0I9aGxKfFHGWjA

学校特有の体質を認識することから始まる

学校特有の体質とは以下です。

  • 暴力に甘い文化(記事①を参考に作成)
    • こちらは、子どもへの体罰についてですが、5年間で6865件の「体罰」についての処分があった(カウントされないものも容易に想像されます)。その内、免職は1件だそうです。飲酒運転やわいせつの免職率は50%超にもかかわらず。いかに「体罰(暴力)」について甘いかがわかります。
      • これでは教師にとっては「飲酒運転とわいせつはやばいよね。でも、体罰までならクビにはならないからさ~」というメッセージになってしまいます。
      • 子どもにとっては「相談して処分まで行っても、結局戻ってきて目をつけられて逆効果」となります。処分されたのですから認定された行為があったはずです。暴行をした人が担任を続けるのですよ。暴行をした人が軽い罰だけで普段通り隣の家で(もしかしたら「チクったな」と恨みを持ちながら)過ごすんですよ。怖くないですか?
      • 加えて、他の子どもには「大人の体罰が見過ごされるなら、いじめくらいオッケーだよね」って受け取りかねません。
      • 子どもの絶望感はどんなものでしょうか?
    • 教師へのいじめ・暴力については、カウントする明確な区分すらないようです。「そんなものはありえない!」という建前なのでしょうね(ありがちw)
    • 一般の会社でしたら「コンプラでイエローかレッド」間違いないです。指導で体罰とかありえないですから。
  • 法治軽視の体質(記事②、記事③を参考に作成)
    • 学校には少なからず「警察に言ったら負け」という考え方の人もいるようです(記事②)
    • 学校は行政の一機関ですから法律に沿った運営が大前提なのですが、法令に沿わない対応を行っていることもあるようです(記事③)
    • なんでも警察にというわけではありませんが、「法律違反されたら法に沿って解決(まずは警察に相談)」は「か弱い市民が自分の身を守る第一歩」です。これを、生徒に教えていかないといけない立場の学校で「内輪で処理をする」」ことが最優先の解決手段になっているのは不安です。内輪で処理すると、たいていの場合、立場の強い人に有利になる、あるいは隠ぺいで処理されます。つまり、弱い立場が泣き寝入り。これが日本の伝統と言えばそれまでですが。
    • 人治だと難しいので近代国家は法治国家制度を取っているはずです。法律(暴行罪)およびそれの執行は、校長や教育委員会より上位概念のはずです。暴行罪まで行かなくても、パワハラとかがあれば、法に則った対応を並行して行っていくべきです。

これらの特徴を理解して(しているのでしょうけど、再認識して)いただいて、生徒と教師の安心・安全が確保できる仕組みを早く作ってほしいです。これは、校長や教育委員会のリスク管理にもつながるのです。

それでも、あえて言いたいです「自分の身は自分で守る」ことは大切

「加害者が悪い」は十分に理解しつつも、あえて言いたいです。

これ言うと嫌われるからなのか、あまり誰も言っていないように見受けれらますが、勇気をもって言います。

やっぱり「自分の身は自分で守る」ことは大切だと思います(外部に助けを求める手段も含めて)

盗む人が悪いに決まっていますが、「盗まれないように」とか「盗まれたときにどうするか」も大切だと思うのです。

 

「やられっぱなし…」では、子どもの安全を預かる立場としては「なんだかなぁ」が個人的な感想です。

「自分がガマンすれば…」といった”配慮”や”あきらめ”もよくないかも、同僚にも子どもにも同じことを強いてしまいかねません。

 

私のような鈍感人間と違って、苦労している教員にはマジメで優しい人が多そうです。それは子どもと接するにとてもありがたいことです。

ただ、いざという時にはサバイバルするチカラ強さも!というのは望み過ぎなのでしょうか。

 

よい仕組みは勝手に整備されはしないから、誰かが「おかしいですよ」と手を挙げないといけないと思うのです。

周りの教員たちもどうなんでしょう?これではいじめを見て見ぬふりしていた子どものことをとやかく言えない気が…

 

シンプルな方法としては、やはりまずは「録音・録画で証拠を残すこと」だと思います。

上位者(校長→教育委員会→市長)に示しましょう。ダメなら休みましょう。

それでもダメなら、警察の生活安全課に相談に行くとか。

大丈夫、命までは取られませんし、クビにはなりません。はずされるくらいはあるかもしれませんが。

でも、自分の心の健康の方がよっぽど大切です。何を捨てて、何を取るか。

 

綴じられた世界で生殺与奪権を握られているかのような状況でしょうから、難しいのは想像できます。黙って耐えるが解決策だったのかもしれません。

でも、そうやって自分の身を守ることは、子どもの身を守ることにもつながるはず。

「悪いことをしたら、罰せられるのが社会の仕組み」とか「将来、悪いヤツにでくわした時どう身を守るのか」とか、人生にとても大切なレッスンがそこにあります。

 

完璧な世の中などないから、生きる術として「自助+公助(仕組み)」が必要なのはこれからも変わらないと思うのです。

私の考え方は古かったり、ずれてたりしているのでしょうか。

繰り返しになりますが、悪いのは「仕組みを作っていない人 > やった人」です。

ゴメンで済んだら警察いらん!早急に仕組みの確立を!

仕組み作りでは、民間組織のリスク管理体制から学べるものはたくさんあると思います(イマイチなのももちろん沢山ありますが)。思いつくままに以下。

  • ホットラインを作る(①子どものいじめや体罰、②教師へのいじめ)
  • 教師にも子どもにも、場合別フローチャート等を渡して、この場合は誰々に相談、この場合は警察に電話を掛ける、などの研修を行う
  • 警察との日常的な連携体制(相互訪問など)を整えておく

今回も予兆はあったでしょうから、事前警告のような仕組みがあったら、一発レッドカードのような対応にならずに済んだと思うのです。いじめってやる方もエスカレートしてなってしまう。途中で止める仕組みがあった方が、みんなにとってハッピーだったと思います。

「ゴメンですんだら警察いらん」よく子どもの頃、言い合っていました。

今回も「あいつが悪い。特殊事例だ」「処分して、謝ってやれやれ」とかで、仕組み化しなければ同じことが起こります。

加害者側をあそこまでのさばらせた人や仕組みこそ、一番の加害者です。早急にしっかりと仕組みを作ってほしいと思います。

 

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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