女性の幸福度(仕事や子どもの有無による影響)


男はバカなので、たぶんわかっていない

すみません、ボクわかっていませんでした、子どもがいると女性の幸福度が下がるだなんて。

いろいろ言ってても、とは言え「やっぱり子どもがいた方が幸せ」ということにはならなさそうです。

ことは深刻です。

でも、本当はそうなんですよね、だって事実子どもの数が減っているというサインがずっと続いてきた訳ですから。

 

佐藤一麿(拓殖大准教授)の「専業主婦は本当に幸せなのか」にあった情報をスライドにまとめてみました。

元情報はこちら、https://www.pdrc.keio.ac.jp/uploads/DP2017-010_jp.pdf

こちらもご参考まで https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67894

 

多分の他の「世の男どもも、わかっていない」と思います。

まずは、パートナーにこの事実を突きつけることから始めましょう!(でも、仲良くねw)

 

様々な問題点

  • 仕事の有無にかかわらず、子どもがいると女性の幸福度は下がる。
    • 子どもがいると女性の幸福度が下がる傾向は、世界的に(少なくとも経済面では)共通とのこと
    • アメリカでは少なくとも仕事の有無では幸福度に有意な差はない→日本特有の要因がある(男女差、働き方など)
  • おそらく男性は「子どもがいると幸福度が下がる」という事実を認識していないだろう(少なくとも統計的に効果的な行動をとれていない)
    • 夫にも同じようなアンケートを取ってほしい(①同じカテゴリーで夫の幸福度、②妻の幸福度をどう考えているか(こっちの方が重要))
  • 専業主婦の方が幸せなのに、働く妻が増えざるをえない事実。
    • 特に、(子どもありなしに関わらず)子育て世代の経済状況の深刻さや先行き不安が反映されている。非正規雇用の拡大も一つの大きな理由となりうる。
  • よく言われる「働く女性の子育て支援」的な文脈だけでは解決できない根深い問題がありそう

このままだと理屈上は「少子化は幸福度の観点からは合理的行動であって、構造的に止まらない」ということになりそうです。

個人的に推測すること

いずれも推定に過ぎないのですが、この現象は実は根深い話で、以下のように話を広げることが可能かと思います。

  •  ホモサピエンスの転換点に来ている?
    • ホモサピエンスは他の類人猿に比較して「多産」。森を出て敵が多くなったので、多く産む作戦に出たらしい。
    • 数万年前からおそらく70年前(戦前)まで、日本も多産路線で来た。
    • 多産メリットは「労働力(多くは農民)」「社会保障(年金・介護がない時代、老後の面倒を見てもらう必要あり)」「本能(および避妊器具不存在)」と考えられる。個々人の損得勘定が反映される?
  • 時代の発達に伴い「損得勘定」が変わり、「”幸せ”を感じるポイント」が変わってきた?
    • どう考えても、戦前より現在の方が少なくとも物質的には豊かである。にも関らず、働く妻は増えていて(←もっとお金が必要)、子どもを持つと幸せ度が減少すると感じる(←時間とお金がかかるから?)ようになってきているのだろうか?この辺りはよくわからない。
    • 身分制度解体、学歴重要性のアップ、第三次産業化、社会保障制度の整備、技術発達、娯楽の多様化、などによって、「子どもが少ない方が損をしにくい」と感じるようになったのかもしれない(人間には「損を避ける」傾向があるように思える)
    • 幸せのスタンダードが変わってきて、かつ、多様化していいる(「〇〇したら幸せ」といったシンプルな文脈がなくなってきている)
  • 日本人は衰退への道を歩んでいる?
    • 一般に生物の繁栄は個体数で測られるであろう。食料不足や戦争以外の理由よる人口減少は、おそらく人類史上初の現象。日本人は人口維持ができないほどに少子化が進んでいるので、生物的には衰退しているとも言える。
    • 損得勘定だけではないだろうが、少なくとも「生物学的な方向性」vs.「社会構造の変化に伴う感情や行動」で大きなギャップが生まれているようだ。

甘いかも知れないが…

認識が甘いと言われればそうかもしれないが、それでも以下のようなポジティブサイドを考えてみたい

  • 幸福度は、最下位の「仕事あり&子どもあり」でも5段階の3.79ある
    • 平均値で「どちらでもない」と「まあまあ幸せ」の間のやや「まあまあ幸せ」寄りであることは悪くないのではないだろうか?
    • 各カテゴリーを比較して、というより、全体の平均点が高いとか上がることも大切なように思える。
  • 「子どもがいたこと」「働いたこと」に対する長期的な幸福度はもう少しポジティブなものと期待したい
    • 同じアンケートを、例えば子どもが成人した後に聞いたらどんな答えになるのだろうか?
    • 雑な例を引き合いに出すと、「目の前の練習はいやだったけど、ふりかえったら〇〇を頑張ってよかったな」と思えるのではないかということ
  • より成熟した社会になることで、女性の育児負担からくる幸せ減少幅を減らすころができるようになる
    • 経済構造の変化が急すぎて、社会制度や風習がついていけておらず、そのしわ寄せが「女性」や「若者」に来ていると思われます。年金などはその最たるもの。
    • 専業主婦が増える時代は想定しにくい(?)
    • 働き方の柔軟性があがったり、育児の負担軽減・分担が進んで、子どもを持ちたいなと思える社会

更に夢みたいな話かもしれませんが、「自分の人生はここまで結構ハッピーだったので、こんな幸せを自分の子どもに分けてあげたいな」みたいな感覚になれると素晴らしいです。

そのためにも、まずは大人一人ひとりが「自分ってハッピー!」と思えるような人生を歩むことから始まるような気がします。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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