先日の講演より(3)教育ってなに?-続きの続き


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教育の役割は「子どもが自立する+大人がサポートする」ことであるという意見をご紹介しました。

ご家庭でできることは何か、私の考えを述べたいと思います。

日本では「自立が弱い」&「同調圧力が強い」がセット

日本って結構同調圧力強いと言われていますよね。

自立していない人間が多いので、同調圧力が高くなる。

同調圧力が高いので、自立しにくい。

セットみたいな感じです(何の影響なのでしょうか?儒教?五人組や隣組などの相互監視?学校の号令文化?)

 

自立に向けては同調圧力と戦う必要があるのですが、一人で全面戦争するのは現実的ではないと思います。

同調圧力(およびそれによるストレス)は、いじめ、体罰、パワハラ、セクハラの根っこで、大人でも対処が難しい。

日本は子どもの権利意識も低いですし。

下手をすると命にかかわる問題になりますので、自己防衛の知恵は子どもに伝えておきたいです。

 

武道と同じで「まずは受け身から」

 

伝えたいメッセージは「目の前の世界が全てじゃないよ」ということです。

①世界は広いを感じる体験(海外がシンプル)

②学校以外に逃げ場を持つ

③親以外に信頼できる大人を持つ

子どもは親には相談しないケースもあるでしょうから、親以外に頼れる大人がほしいところです(親にはダメな自分を見せたくない)。

 

本当はリスキーな「みんなと一緒」路線

表の2点目は、「みんなと一緒」路線のリスクについてです。

 

採用活動などでお会いする30代・40代の方がポロリと漏らすことがあります。

ずっといい子で生きてきた。敷かれたレールを走ってきた。自分の人生って何なの?」みたいことを。

 

「その歳で、その気づきはキツイなぁ」と思います。

かと言って、ずっと「羊の群れ」の中で生きてきた人がいきなり飛び出すのも危険です。

大人が好きな「素直ないい子ちゃん」は、人生の中盤になってから迷ってしまうかも。これは取返しがつきません。

 

多少の摩擦や失敗はあっても、子どもの頃から「自分のことは自分で決める経験」を積むべきでしょう。

 

ご家庭でやれること。

自分で決める、を促す。まずは二択「AとB、どっちにする?」から。

時には少数派になる勇気を励ますことです。これは親も含めてですね。

サッチャー元首相は子どもの頃「おかしいと思うことは相手が校長先生でもおかしいと言いなさい」と親から言われたそうです。卓見です。

 

人生で大切なことは「上手く行かない時にどうするか」だったりする

人生で大切なことの答えは、大切なことほど教科書には載っていません。

周りから仕入れた話や体験から自分で考えて対処するしかないです。

 

「上手く行かない時の対処」こそ人生の大きな分岐点です。

「耐える」「変える」「逃げる」が大きな選択肢。でも、どれが正しいかはわからない。

 

かと言って、親に何ができるわけでもなさそうです。

できるのは、本人が上手く行かない時に「親が腹をくくること」くらいでしょうか。

まさに「(子どもがうまく行かないという)親にとってうまく行かない時に、親はどう振舞うのか」が問われるのです。

 

子どもはそんな親を(何を大切にする人なのか、等を)しっかりと見ていて、そこからヒントを得ていくんだと思います。

自分も含めて、パパ、ママ頑張りましょう!

 

PS: 自立の過程で

私はナチュラルに超ワガママ人間でしたので、自分と集団との距離感にはずいぶんと悩みました。

でも、そのおかげで多少は自立できたと思っています。

 

大人になって出会ったオモシロいなあと思う人は、みんな自立しています。

で、どこかの時点で「はずれた(はずされた)」経験をお持ちの方が多いようです。

「仲間外れ」「先輩から圧力」「帰国子女で…」「差別…」など、どこかでつらい経験がある。だから自立できたのでしょう。

 

自立している人は、信頼できます。

自立している人であれば、意見が違っても全然かまわない、極論すれば敵でもいい。でも、周りの空気で立場を変えたりせず自分の責任で判断するので信頼できる。

 

自立している人はハッピーそうな人が多いです。

内面が満たされている感じ。多分、人のせいにしないからだと思います。

 

様々な意見はあるでしょうが、私は「ハッピーに生きるには自立は必須条件」だと思います。

 

世の中に自立している人間が増えれば、同調圧力は減ります。同調圧力が減ると、より自立しやすくなるでしょう。

本来、自立するのに無駄につらい思いなんてしなくてもいいのです。そんな未来が来ることを夢見ています。

 

そのためには、まずは大人が自立していくことが大切なのでしょう。

・自分に忠実に生きる。他者の同様の権利を認める。おかしいことはおかしいと言う。自分の身はまずは自分で守る。頼るべき時は頼る。人のせいにしない、等々。

日々の小さな決断の積み重ねだと思います。

 

大人が自立していないのに「子どもだけがバンバン自立してま~す(笑)」という状況はありません

 

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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