「自由 X 遊び Ⅹ 学び」
スライドシェアの最後です。
「自由 ☓ 遊び ☓ 学び」の交差するところを見つけたくて、「自由」「遊び」「学び」を個別に深掘りしてきました。
その上で、学びをもう少し広く捉えるとこうなるんじゃないか、と統合したものが次のスライドになります。
教科 vs 探究
今の学校は主に「右下の教科型学習(さらに言うと伝達)」が中心になっていると考えられます。
そして、右上の「探究型学習」(アクティブラーニングとかPBLとか言われれている学び)を取り入れていこうという段階かと思います。
よく「教科 vs 探究」の文脈で語られることが多いですが、これらは互いに高めあう関係だと思います。
ただ、どっちもやるのは大変でしょうから、従来の教科型の絞り込みが必要になりますね(どんどん追加の一方で廃棄がないのはホントいけませんね。ドラッカーも言っていた。現場が疲弊します。)
自由(遊び)を学校に取り入れられないか?
さらに言えば、教科型も探求型も超えて「自由や遊び」をもっと!という話になりました。
学校以外の経験、例えば自然の中で思いっきり遊んだ経験って「心に残る」し「人生という長い時間軸で深い学びになるよね」といった話になりました。
「育ち=自由+学び」といった形で、「自由・遊びは育ちの一部として必要」という結論に至りました。
一方で、自由や遊びを通した経験がどんどん難しくなっているのでは?という話にもなりました。
「育ちの環境=家庭+学校+地域社会」となりますが、環境的にはかなり逆風です。
- 放課後(家庭+地域社会)における自由や遊びの減少:安全面への懸念、習い事増加、共働き率アップ、など
- 家庭環境の差:環境を準備できる家庭(一定のお金・時間・知性が必要とされる)とそうじゃない家庭で差が大きくなる。外遊びが高価なものになっている。
- 社会環境の変化:身近な自然の減少、友だちが遊んでいない、ゲームやSNS等の普及…
シンプルに言うと、保護者としても「外で友だちと体を動かして遊んでほしい」ということなのですが、現実問題としては「外に行っても安全じゃないし、友だちは習い事でいないし、家の中でゲームしちゃう」みたいな構図があると思うのです。
とは言え、現実を嘆いても仕方がありません。どう工夫するのか?
自由も遊びも学校でやるしかないんじゃない?
私たちの議論としては「子どもたちの自由を取り巻く環境がここまで来てしまったら、自由や遊びを学校に取り入れる必要があるのではないか?」
ここまで来たのは子どもが選んだからではありません。大人がそうしたからです。便利な世の中を追求した結果です。それ自体は悪いことではなく、いいことなのでしょう。
ただ、結果としてこうなってしまった(=子どもの育ちの場としてはちょっと…という状況)。
ですから、現実を踏まえたうえで、子どもにとって適切な対応をとるなら、学校でやるしかないのでは?
「そんなのできないよ」と言うでしょう。
でも、大丈夫。明治期には、働く子どもを無理やり学校に入れ、戦後には、教科書に墨を入れさせてきたのですから。
「必要なら、大切なら、やるしかない。それをやるのが大人」
でもなぁ…できないだろうなぁ…これをやったら、世界の最先端に飛び出るんだけどなぁ…
というのも、現代は急速に世界で都心化が進んでいて、同時に都会における育ちの環境に行き詰まりを感じていて、それは先進諸国における教育の共通課題だと思います。
加えて、AI・バイオなどのテクノロジー加速k時代における教育の課題の柱(少なくともその一つ)は「人間らしさの確保(=ヒトとして幸せになるために必要)」だろうから、そのためには「自然と人にたっぷりふれあって、身体的な体験を積んでおく」のが手っ取り早い。
(だから、世界の金持ちで問題意識の高い人たちは、スイスのボーディングスクールとかグリーンスクールとか自然が豊かな学校に送り込むのかもしれない)
でも、できないでしょうね。行政ってあらゆる機関の中で最も保守的で、日本は社会自体がかなり保守的ですからね。で、それは悪いことではありません。
こういうことは、結局、新しく作るしかない。大企業で実現がむつかしければ、起業するしかないのと似ています。
誰かがリスクをとって作って、リスクをとる保護者がそこに通って、徐々に変わっていく(変わっていかないかもですが笑)、という形になるのだと思います。
で、先駆者は日本にもたくさんいらっしゃいます。私が参考にしているのは、ラーンネットグローバルや東京コミュニティスクールです。
HILLOCK初等部2022年4月スタートで動き始めています。応援よろしくお願いします。我田引水!(笑)
<堺谷武志の略歴>
大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。
2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
(プロフィール詳細はこちら)(ヒロックの想いはこちら)
著者・堺谷武志が運営するプリスクールは「キッズアイランド」はこちら
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