先日の講演より(14)非認知的資質・スキル~Confidence
私が大切だと思う3つのC(Confidence、Collaboration、Creativity)を深掘りしたいと思います。
Confidence
3つのCの中でも一つだけ選べと言われたら、迷わず「Confidence=自信」を選びます。
この自信は人に見せびらかすようなものではなく、大きな決断や行き詰った時に「自分なら大丈夫。(理由はなんか知らんけどw)」のように心の中に密やかにわきあがる自信です。
自己肯定感
同調圧力の関係で自立が進みにくい日本の環境では、「自己肯定感」の伸びを意識してサポートしていきたいものです。
特に、この自己肯定感は10歳くらいまでの間にゆるぎないものにしたいところです。
やはり大前提としては、保護者を代表として周りの大人が「まるごと受け止める」ことが大切でしょう。
大人から見た「いい子像」に寄せていくのが教育のような風潮がありますが、私は反対です。
「素直でよい子」の先にあるのは「優れた指示待ち人間」である可能性は高いです。
指示をされて何かをするのではなく、年齢相応に「自分で決める」機会を増やしていくのが望ましいと考えます。
逆に「できません、助けてください」と弱みを見せることができるのも、真のConfidenceです。
多少のことができないくらいで、自分の価値は下がらないからです。
「自己決定」は幸せの基本です。
自己効用感
自信を身につける時の、もう一つの切り口が自己効用感だと思います。
これは「ボク/ワタシだって、人の役に立てるんだ」と言う気持ちです。
大人でもそうだと思うのですが、例えば自分の仕事に意義づけができるとやる気がでます。
やる気が出ると真摯に取り組み、そうすると満足し、自分への自信が高まるものです。
仕事の意義づけは、家族のため、自分の達成感のため、などあると思いますが、別の次元として、人のためになっている、世の中の役に立っている、があると思います。
「自分のやりたいこと」と「人の役に立てること」がうまくバランスされている時、人は幸せを感じると私は信じています。
物おじをしない
自己肯定感や自己効用感は、本人の性格にそってひっそりと育っていくことをサポートできます。
その自信の延長線上に、「人前に出ても物おじをしない」が出てくるかもしれません。
アメリカに留学していた時、みんなプレゼンの時に堂々としていて上手で感心した覚えがあります。
ただ、何パーセントかは忘れましたが、プレゼンが嫌いという人はアメリカ人でも半数を超えていると聞いて、そうなんだと思いました。
性格にもよるので無理強いはできないのですが、「物おじしない」ことでつかめるチャンスの数は増えると思います。
人前で話す経験をたくさんするなど場慣れで解決する事も多いので、苦手意識があっても機会があれば挑戦したいものです。
Collaboration
これからの多様性の時代に重要なスキルの一つが、Collaborationです。
身内だけで上手くやるといったレベルではなく、外国人とチカラを合せる場面がでてくるかもしれません。
それには「規律やユーモア精神」が必要ですし、またCollaborationを通してそれらは磨かれていきます。
まず「人はそれぞれ違う」からスタートしなければならないでしょう。
これは日本の教育現場でよく聞かれる「みんなと仲良く」と真逆なので、難しいかも知れません。
本当にみんなと仲良くできている大人はいません。大人こそ選り好みをし、派閥をくみ、裏で陰口を言っています。
自分にできないことを、子どもにだけ押しつけるのは理不尽で傲慢ですよねw
時には「対決」も重要!八方美人は信頼されません。
一方で、「意見」と「人格」を分ける練習も必要でしょうね。
「意見が違う」→「その人はダメだ/嫌いだ」の構図を超えていきたいものです。
この分離ができないと、ブレーンストーミングも成立しないので、協働が難しくなります。
日本人は「一緒!」の部分が多いので、何かと小さな違いを見つけては「違う!」と騒ぎ立てて、同調圧力をかけにかかるような気がします(笑)
多様な世界では、人種から何から「違い過ぎる」ので、違いを認めつつどこかに「共通点」を見つけていこうとする作業が必要です。真逆ですね。
「無理にみんなと仲良くする必要はないけど、良いものを創るために、必要なら嫌いな人とでも協働できる」が、これからのCollaborationの一つのあり方だと思います。
個人のパフォーマンスを上げるより、チームのパフォーマンスを上げるほうが効果が高いと言われます。
リーダーにせよ、サポーターにせよ、「チームを組んだ際にパフォーマンスを上げる役割をできる人」が重宝されることは間違いないでしょう。
協働せずに一人で生きていくのもあり、ですが、協働によって、世界が広がったり人生にいろどりができると私は思います。
Creativity
何かとCreativityが大切と言われる時代ですが、当面はその流れは続くものと考えた方がいいでしょう。
将来「メシが食える」ため、つまり仕事上でもクリエイティブであることは重要であろうと思えます。同時にもう少し深い意味でも重要だと考えます。
昔は、「幸せの文脈」は村や社会が決めてくれました。だから「みんな一緒」も意味があったのです。
「結婚して子どもをもって、与えられた役割について真面目に働く」がみんながフォローすべき幸せでした。
未来は、グローバル化やテクノロジーによってこのような文脈がさらに薄れ、また日々の活動もシステムに組み込まれていく時代です。
何かをインプットするだけでなく、自分らしさをアウトプットすることが人間性や自分らしさを確保する上で大切になってくると思われます。
世の中には色々なことがあることを知って、体験する。そして、好きなモノを深掘りしていく。
その過程で、手足・指先をたくさん使う、これらの体験がクリエイティビティを伸ばします。
現在の学校教育で主眼が置かれている「教科を座学で学ぶ」からはなかなか得にくい体験かもしれません。
当面はご家庭でその環境創りを工夫していく必要があると思います。
<堺谷武志の略歴>
大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。
現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
(プロフィール詳細はこちら)
著者・堺谷武志が運営するプリスクールは「キッズアイランド」はこちら
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