思うこと:「先生」の呼び名がどうも苦手な私です


私もプリスクールを経営している関係で、保護者や知り合った人から

「先生」と呼ばれることがたまにあるのですが、いちいち「さん」付けで呼んでもらってもいいですか、とお願いします。

まあ、面倒くさい人です。

 

インターナショナル・プリスクールと言うこともあり、キッズアイランドでは講師は全てファーストネームで呼ばれます。

私は運営者で教えていないので、Teacherではないということもあります。

 

ただ、それ以上に先生と呼ばれることに、抵抗を感じます。

人に教えるということをできるほど立派な存在ではない(逆に、神様以外にそんな人いるの?)、とか、

先生と呼ばれると距離が出そうだし、一人の人間として名前で呼ばれたい、とか、

根っこには過去に先生と呼びたくない人が存在した、とか色々と理由はあります。

きっかけは「なんでこんな人が『先生』なのか?」

皆さん、なんとなく想像がつくと思うのですが、私はとてもひねくれていて、かわいげがありません(笑)

よって、あまり教師には好かれる方ではありませんでした。

中でも、小学生の時、本当に変な「先生」がいました。

みんなの前でつるし上げられたり、大声でどなられたり。

私を見る目に憎しみが宿っていました(笑)-筆者談

 

親は「先生の言うことを聞きなさい」と言うのですが、私は心から嫌いでした。

「なんで、こんな人が先生なの?これが、偉い人のやること?」

 

でも、最終的には「先生」は教室内では「王様」なので、生徒を抑え込むことができます。

私は「非常に不公平だ」と思いました(のちに「理不尽」という言葉を覚えました)

元々の「師弟」関係は、自分で選ぶもの?

そもそもの師弟関係は、芸事(武道や茶道)や私塾などでの関係では?と思います。

 

学ぶものが自ら尊敬する人間を「師として選ぶ」という私淑の関係で成り立つものでしょう。そして、先生と呼ぶ。

(ちなみに中国語を習ったとき、先生は「さん」程度の意味でしたので、この使用方法は日本流かもしれません)

修行の途上で、多少の不可解や理不尽なことがあっても、道を極めるんには信じて従うというスタイルかと思います。

 

近代化の過程で、学校ができたときに、この師弟関係がそのまま持ち込まれたのでしょう。

 

でもね~

やっぱり、学校に行って「はい、私が先生です」と大人が出てきて…

その人が尊敬できない、自分が選べるわけでもない状況でも、やっぱり「先生(師)」と呼ばないといけないのでしょうかね?

(それに、そういう人こそ、礼儀とか言ってかぶせてくるので厄介なんですよね)

「先生」と呼ばれることの不幸

「先生」と呼ばれることは、教師にとってもデメリットが大きいのかなとも思います。

 

「先生」と持ち上げられて「間違えることができない存在」にされてしまう。

でも間違えることもあるので、その時は「隠す」「ごまかす」「抑圧する」とかしてしまう。

体罰とか「いじめはなかった」発言とか、こんな呆れた話がちょろちょろ出てきます。

 

クラスを「うまくまとめる」ことが大切なようで、「先生」には「王様」のような権限が与えられています。

そこでは、法律のみならず、地域ルールやモラル・価値観までが、たった一人の(不完全な)人間の判決で決められます。

これは、ちょっと仕組みとしては無理があるんじゃないかな、と思います。

 

呼ぶ方も「とりあえず、先生と呼んでおきゃいいだろ」という程度の話です。

そのくせ、持ち上げられた分、失敗した時には「これでもか」というくらい叩かれます。

 

もうちょっと、リラックスした環境で生徒や保護者と信頼関係を築くような方向性に変えられないかなと。

そのためには「先生」の呼び名から下りてきた方が、教師自身にとってもやりやすいのではと思うのです。

一般社会とのズレがないですか?

一般社会では、権限を集中させるのではなく、分権したり、チェック機能をつけたりして、仕組みやチームで対応しています。

 

伸びている若い会社は、「社長」「部長」など対外的に責任を示す呼称はつけていても、「さん」付けで呼び合うところが多いです(と思います)

それは、カジュアルなコミュニケーション、本音で活発な議論には風通しのよさが必要だから。

 

立場を意識させるようなやり方は時代遅れになりつつあります。社会も変わってきているのです。

先生と呼ばせて権威付けするのは、「将軍様」と呼ばせるのと本質的には同じ構図なのかもしれません。

独裁政権や封建時代じゃあるまいし…

 

また、先進国でこのような称号をつける呼び方、珍しいかなと思います。

「Teacher〇〇」とか「Teacher」などという呼びかけはするのでしょうか?

少なくともアメリカでは、一人の人間としての名前で呼びます。

大学教授には、わざわざファーストネームで呼ぶように言われたこともあります。

Teacherというポジション(呼称)すら廃止した国もあると聞きます。

 

自分のことを「はい、先生は一回しか言いません」など一人称として使うのも、よく考えれば変です。

 

更には、教師同士が「先生」と呼び合うのも、ちょっと違和感!

「ん?その人、あなたの先生じゃないでしょ?」

「お互いを先生で呼び合うってどういう心境?」と。

 

学校が社会に無節操に合わせるのは大反対です(私は意外に保守的です)が、社会とのズレに無頓着でいるのも変な話だと思います。

私の個人的スタンスとしては…

この「先生」という呼び名、すっかり社会に根付いている慣習なので、すぐに変えるのは難しいのでしょうね。

ただ、もし時代に合っていないのであれば、変えていった方がいいのかなと思います。

 

せいぜいの個人的な抵抗として「先生と呼ばせない」「安易に先生と呼ばない」を守ることにしています。

(ただし、個人として「師」と思える人は「先生」と呼びます。むしろ、呼びたい気持ちもあります)

 

キッズアイランドでの私は、ファーストネームのTakeshiから「Tak(タク)」と呼ばれています。

日本人の保護者は「Tak」という人と「さかいたにさん」の二通り。

 

社内でも「社長」と呼ばせていません(ううん、違う、呼んでもらえないw)

「Tak」または「タクさん」です。「タクさん、トイレの電球切れています」みたいな用法です。

弊社では「忖度」ではなく「Hey Tak」です(すみません。わかってます、でも、一度使いたかった)

 

スクール内も社内も、とてもカジュアルなやり取りですけど、

本音で話して、温かみがあって、おおらかだけど規律はあると思います。

各人が尊重されていて、子どもにも保護者にも安心感(これ、大事です)を持ってもらっています。そのはず(笑)

 

小さい民間のスクールなのでできるのだと思います。それと、別に呼称の問題だけではないとは思います。

ですが、一つひとつの行動にはその背景にある考えやこだわりが反映される、と思うのです。

(例えば、私たちのスクールの場合、教師と生徒の間に人としての優劣があるわけではない、とか、子どもたちが主役のスクールであるとか。先生と呼ばないことにもその精神が反映されています)

 

個人的な見通しとしては、そのうち世の中で「先生」と呼ばない方向になっていくんじゃないかと思います。

 

ただですね~

世の中には、先生って呼ばれたい人も、呼びたい人も多いようで、

私のようなこだわりを持ってしまうと、

時どき、面倒臭くなってしまうことがあります(笑)

 

PS:先生解放宣言

「今日から、私を先生と呼ばないでください。

他の大人と同じように、〇〇さんと呼んでください。

私は教師です。

でも、完全な人間なんていませんから、間違うことがあります。

ただ、私はまだまだ成長していきます。そのために一生学んでいきます。

 

学ぶことは素晴らしいことです。そう思って教師になりました。

私はそれを皆さんに伝えたい。

みんな、一人ひとりが人生にとって大切なことを学んでいきましょう。

そして、協力して学び合いましょう。

 

自分に自信をもって、自分の言葉で話をできるようにしましょう。

一緒に成長できるように工夫して、自立できるように努力していきましょう。

 

先生と呼ばれなくなっても、私は教師です。

皆さんが学ぶサポート、大人としての道案内をしっかりとしていきます。

そのための工夫と努力は惜しみません。

 

だから、今日から先生と呼ばないでください。

今日は、みんなの仲間であり、サポーターになる記念日にしたいのです」

 

こんな教師がいたら、心から尊敬!

子どもは、バカじゃないですから。

でも、これも1つの先生像を押しつけることになっちゃうかもしれませんね。

 

なんて、すみません、学校現場を知らない人間のたわごとと流してください。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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