マイ・ブッカバ・チャレンヂ④ブルースピープル


【マイ・ブッカバ・チャレンヂ④】
この本を読んでふと浮かんだことわざ。
Curiosity killed the cat.興味もほどほどにしないと身を滅ぼす。

その1:ロックに誘われて、迷い込むブルースの世界
当時にありがちな「もてたい→バンド」ルートでロック小僧になりました。ご多分に漏れず、アメリカン・ロックやブリティッシュ・ロック、ソウル、そしてブルースへと遡上します。

突き詰めた人と違って、そんなに濃いわけでもないし、中断もあるけど、今にいたるまでロックとブルースへの興味は続いています。
留学時代はCDをどれくらい買っただろう。200?400?堪能しました。ファイナンス理論よりは深く主体的に学んだ気がする。笑

そのハイライトがシカゴでBuddy Guy経営のブルース・バーに行ったこと。アジア系ゼロ、外をぶらつくとののしられるエリア。笑
本人の出演なしでしたが、何名かの演奏を生で聴いて強烈。同時に「ああ、これは無理だな」と体の奥の深いところで感じました。
あえて言葉にすると、体と心のつくりが根っこから違う。

その2:この本は優れた歴史書、文化人類学、文明批評の本であり、詩集であり、ブルースである。
公民権運動さなかの1963年に書かれたこの本、日本初版は65年、私のは2004年版。60年ちかく火を絶やさない日本の出版人魂にも心から敬意を表します。

ブルース好きからふと手にした本ですが、すごい出会いでした。あまりに広く、深い。
彼はまず奴隷の意味するところを解き明かします。故郷、神、言葉を奪われる人生、生んだ子どもを売買目的で取り上げられる暮らし。急激に途切れた奴隷貿易、プロテスタント・小規模白人農民だからこそ深まる悲劇。細部にわたる描写がとてもリアルです。

奴隷解放、北上する黒人たち、それとともに歩むブルース(ジャズ・ソウル含む)
なぜ白人は自分たちの視点でしかものを見られないのか。ブルーノートが、ミ、ソ、シで半音下がる不完全なものではなく、アフリカ固有の豊かな音階と考えられないのかという批判、怒り。白人の論理展開スタイルを持って、白人たちの欺瞞を告発していきます。
つまり、ブッカバ②で紹介した私のヒーロー、リンカーンの裏側を容赦なくえぐるのです。

怒り、哀しみ、諦め、刹那、卑猥、楽しみ、進む、強さ、など。そして、そのどうしようもない現実だからこそ生まれる詩とメロディー。
実はこれらは生の本質であって、たとえどんな暮らしをしていても、人はその存在自体がはかなく、理不尽であり、それでも生きていくしかないと気付かされる時があります。
日常を流して生きながらも、ふと人生の深い淵に気づいた隙を狙って、ブルースの詩とメロディーはあなたの心にMojoとともにしのびこんできます。
そのようにして、黒人にとどまらず、白人を経て遠く私のところまでやってき、虜にしたのでしょう。

ブルースは、救いの声か、悪魔の呪文か?
私にはわかりません。たまにのぞき見る、それが私のブルースとの付き合い方。

4か月前、Blues Harpを買いました。たまに半音下げています。笑 コロナで遠距離バンドの練習が延期になりました。何十年かぶりにライブしたいねとか言っていたのに。笑

PS:ブルース・こぼれ話
1) ブルースとマーケティング:マーケティングの授業で「Marketingの発想が嫌い。俺はSegmentationなんてされない」と言ったら、友達に「アジア人、20代、MBA、ロックとブルース好き。なんてわかりやすいセグメント」と言われました。うーん、アメリカぁw

2) ロックの英語:ブリティッシュ・ロックがアメリカに到着した時、アメリカ人はなんでこいつらはI ain’t got no money.とか黒人しか使わない英語で歌い、なぜBabyをバエベーと叫ぶんだろう、とびっくりした。南部出身の友達が教えてくれました。そう、正しいロックは南部American Englishなのです。だって全部Bluesから来たんだもん。Beatlesもカント・バイミー・ラーアブではなく、キャントとうたっていますね。さらにこだわると、LoveではなくLubだそうです。

3) アメリカでは軽く見られていたブルースピープルたちですが、イギリスではアーティストとして処遇されました。そうそうたるメンバーの素晴らしい演奏の記録が残されています。それだけでイギリスを尊敬。そのDVD「American Folk & Blues Festival」は昔ゴールデン街にあったCrossroadsというバーのマスターが教えてくれました。Hub、赤坂の鍋屋はじめBluesを聞かせる店はだいたいがいい人です。コロナで、大丈夫かな。

さあ、いかがでしょうか?
ブルースが気になった方、今は便利な時代でYoutubeにたくさんアップされています。
夜が更けて、一人になって、少しの苦労とバーボンを手元に置いたら、さあ準備万端(私は断酒中w)。
「なに、良さがわからないって?それはね、チミ、人生に苦労が足りんのだよ」
「えっ、かっこよすぎるって?ふっ、好奇心はほどほどにしときな、バエベー」

 

少しでも参考になればハッピーです!

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
プロフィール詳細はこちら)(ヒロックの想いはこちら






著者・堺谷武志が運営するプリスクールは「キッズアイランド」はこちら

著者・堺谷武志の個人Facebookページはこちら
お気軽にお友達申請してください。ブログの更新情報やその他趣味の山登りについて等も投稿しております!



ここまでお読みいただき、まことにありがとうございます。 応援していただける方は、以下のボタンを押していただけると助かります(サイトに飛びますがそれだけで、清き一票と数えられます) にほんブログ村 教育ブログ 教育者(幼児教育)へ
にほんブログ村

Follow me!