新型コロナウィルス対応


新型コロナウィルスに関する休校について、様々な意見が飛び交っています。

安倍首相の休校一斉要請に対しても批判が多いですね。

私たちは、政府が一番情報を持っていることも、政府は時には嘘をつくことも知っています。

様々な意見が出ることは健全で、民主主義国家ですから次回の投票行動で私たちの意志を示すことも可能です(少なくとも理屈上は)

そして、色々な意見を拝見していて、置かれた立場で意見や対応は異なるものだと改めて感じました。

対応=「2週間の休校(+超限定的に施設開放)」

実は政府発表の前から休校を検討していました。タイミングはまだ少し早いかも(でも週末もありうる)という考えを持っていて、最後は首相要請に背中を押された形でした。なので、受け身感はあまりありませんでした。保護者の方の反応は様々でしたが、おおむねやむなしという形で理解をいただいている状況です。

私たちのプリスクールでして、その形態(前提)としては…

  • 保育園ではなく私塾スタイル。保護者のいずれかがフルタイム勤務ではないケース(専業主婦)がほとんど。
  • 対象が2~5歳のプリスクール(9:30-14:00)および4~12歳の放課後クラスを運営。
  • 特に年少者は手洗い以外の予防が困難。

休校に至った理由(思考プロセス)は以下の通りです。

  • 今回のウィルスの問題は「検査できない」「特効薬がない」「重症化の度合いが読めない」と不明な点が多いこと。感染率は高そう、致死率高いけど下がりそう、若い人・幼い子の罹患率の低そうと言うも、それらの見解にはたぶんに「現時点における推測」が含まれる。要はわからない。ここが不安の原点です。
  • 講師は山手線や田園都市線などの超満員電車で通勤。水際作戦に失敗した以上、罹患者の隣に偶然居合わせただけで濃厚接触しうる。講師の罹患リスク(これが世間的に意外に軽視されている気がする)、罹患した講師経由の子ども罹患リスク、重症化時の子どもの健康上への影響(一旦肺炎になったらそのリスクは大きい)、などを考えると、検査なし・特効薬なし・重症化率が不明の環境下では、保守的に考えざるを得ない。このあたりがインフルやのノロと異なるところです。
  • もちろん保身もあります。万が一罹患者が出た場合、保護者・生徒に申し訳が立たない上に、200人が通うソダチバを失ってしまうかもしれない。これに耐える勇気は私は持ち合わせていません。打てる手があるなら打ちたい。器が小さいと言われればそれまでですが。
  • 私たちのスクールの場合、保護者は専業主婦(主夫)の方が多いため、保育園や学童と比較した場合、仕事上での問題を抱えるケースは相対的に低い状況にあります(迷惑と負担をおかけするには申し訳ない気持ちでいっぱいです…)
  • 個人的には「多分大丈夫(多分かからないし、かかっても老人以外は重症化しないだろうし…など)」と思うけど、運営トップとしては「多分では動けない」です。やはり最大の問題点は「このウィルスは不明な点が多すぎる」ことです。
  • 上記を考えると(タイミングは別として)どこかの時点で休校は私の中ではほぼ不可避でした。
  • 2週間にしたのは、その間に「検査体制の整備」「重症化度合いがもう少し見えるかもという期待」、「2週間で関係者の潜伏期間がいったんクリアされる(通勤する保護者は除く)」「自粛による子どもの心身への負担が増える(これは震災時の体感)」などを踏まえてのことで、いったん区切る余地はあるのではないだろうかと考えました。
  • そこに、安倍首相要請でした。もちろん不十分な点はあっても、一国の首相の判断は尊重すべきであろうと。日本で最も情報を持ちうる人がそれだけの緊急事態と判断したという視点は必要かと考えました(もちろん批判的に判断)。

一方で、保守的な判断の中にもリスクを限定しながらできることはないかも模索しました。

  • そこで「Takの部屋」と題して、会員限定・保護者同伴で希望者に施設を開放することにしました。スタッフは自宅待機とし、私のみが3校を持ち回りで週に一回(しかも時間限定で)オープンすることにしました。大きなリスクは取れませんが、わずかでも気分転換になればという思いです。

判断は立場によって異なる

私としては上記のような判断としましたが…

  • 私がもし学童や保育園の運営者でしたら異なる判断になったと思います。例えば、シングルマザーの非正規社員のお子さんが多い施設なら別の方法を考えたと思います。また、幼稚園、保育園、私塾とで判断は分かれます。
  • また、都心か地方か、発症率の差異でも判断は異なります。子どもが電車通学かどうか、電車の混み具合、教室の余裕度はどうか?その点では自治体ごとに判断が割れたのも当然だと言えます。
  • 保護者としても、仕事の有無、テレワーク可能かどうか、家庭環境、子どもの年齢、保育園か幼稚園か、小学低学年かそれ以上か、おとなしい子かやんちゃか、などで意見は異なってくると思います。

そして、どうしても経済的な立場が弱いところにしわ寄せがいってしまう。ここが根幹的な問題です。

今回の話は大きな経済的な痛みを伴うもので、それは立場によって異なります。

未来に向けて考えられること

今回の事態を受けて、プラスに捉えられる点をいくつか挙げてみますと…

  • 今後不透明さが増す世の中になっていくと、どうしても「わからないもの」に対峙し、探求する必要が出てきます。そのような時こそ「多様性の尊重」「安全感のある環境」が重要です。今回の局面でも様々な意見があること、多様な意見をどのようにして生かすか、あるいは、その中で自分はどういう判断をするか、が試されます。子どもたちはその振る舞いをよく見ています。これらは未来の学びへのヒントになります。
  • 新たな動きがあるのも希望です。公教育・民間教育でオンラインの可能性を追求するなど新たな動きがでてきていること、民間の学童や保育園も工夫をしながら踏ん張っているところがみられることなどで大きく励まされました。
  • 全国的な一か月の休校が経済や国民生活に対して与える影響は大きいと思います。
  • やはり少なくとも東京における濃厚接触の機会は激減すると思います。電車から中高生や教員が減り、イベントが減り、テーマパークが閉まり、飲み会が減り、時差通勤となります。学校起点の集団感染もほぼなくなるでしょう。この対策によってピークを抑えられうること、またこの間の時間稼ぎによって検査等の体制が少しは整備されるだろうこと、などを考えると、この点において私は賛同します。(1月2月の動き方の遅さ、説明能力の低さ、などもちろん不満は色々あります)

いずれにせよ、水際作戦が失敗した今、だれがかかっていてもおかしくない状況です。

症状が出た後にジムに行っていたとか、不安にあおられて犯人捜しや買い占めの風潮があるなど腹の立つことも多いですが、それが完全に押さえ込まれる社会も気味の悪いものとでも考えて、自分を納得させるしかありません。

いずれにしても収束することを祈りたいです。それまでは慎重に予防しつつ、うまく気分転換をしながら乗り切っていきましょう。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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