書感:志望校は校長で選びなさい


この本は首都圏の中学受験を考えている保護者が読むと、とてもいいです。単なる受験案内をこえて意義深い本です。

そうなんですよね~。

口ではいろんなことを言っても、実際に学校探しをする際には、やっぱり偏差値が中心となってしまっているのが現状だと思います。

私自身、偏差値が高い学校が良い学校という呪縛があった(今でもある?)気がします。

世の中に当たり前のように浸み込んじゃっています。

昔、塾生のために良かれと思って使いだした塾関係者も、こんなことになるとは思っていなかったでしょうね。

確率論的には「いい学校の偏差値は評価が高い」ここに大きな誤りはないでしょう。

しかし、実はここに大きな落とし穴があるのです。

それは、「自分の子どもに本当に合っている学校なのか」どうかと言う視点が決定的に欠けているのです。

 

 

かと言って、キレイなうたい文句満載の学校説明会やパンフレットでは(滲み出るものは感じられても)、実際のところはわからない。

であれば、出来るだけ偏差値の高いところに行かせた方が「無難」と言う考えに親がなるのは、やむを得ないかもしれません。

ここのジレンマを見事に解決したのが、この沖山氏です。

 

その方法は「実際に校長に会って話を聞く」のだそうです。

この時代になんともアナログな方法ですが、言われてみればその通り、とても本質的な方法です。

目からウロコです。

沖山氏は「会いたいとお願いすれば校長に会える」と言います。

とは言っても、ほとんどの保護者は行かないでしょう。私もよう行きません(笑)

 

私は沖山さんにお会いしたことがありますが、彼独自の度胸と洞察力があるからできた仕事というのは感じます。まず間違いないでしょう(笑)

それに、1000人単位の保護者から、個別面接をお願いされたら学校現場も大変です(笑)

 

この「会うというシンプルな方法」がいかに効果的であるかは、この本を読めばわかります。

志望校選びをする保護者にとって、とても参考となる本でしょう。

学校側の「想い」と「地道な実行」にも光を当てる本

実は、この本は(保護者にとってだけでなく)、理念ある学校を運営している校長、教師、スタッフにとっても朗報です。

自分たちの理念、こだわり、丁寧さなどをしっかり伝えてくれるからです。

企業にとって数字が大切なように、学校の経営にとって、偏差値や合格実績も大切です。

 

ただ、この世の中、大切だけど数字で表せないものもあります。むしろ大切なものほど難しいかも。

学校に携わる人にとって、生徒に「この学校に来て良かった」と言う言葉以上に嬉しい言葉はありません。

さらに言えば「10年後、20年後に元少年・少女の原体験たる場であったか」がより大切だと思います。

 

真面目に地道に頑張っている学校関係者ほどそうだと思います。

私も民間ですが、プリスクールの経営者なので、「あっ、そこ見てくれているんですね」と思うと嬉しい。

 

この本はそう言う方々の「想いを照らす」ものだと思うのです。

沖山さんは、ダメなものはダメだと一刀両断します。いいものはいいと言います。

こまやかな配慮はしますが、おもねることはしません。

だから、信用できるのです。

 

でもですね、評価対象が10校じゃ少な~い!

何十校かインタビューして、手引書みたいにすると世の中のためになるのではないでしょうか?

 

PS:

彼が2015年に出した「できる子はどっち?」も読み始めています。

 

例えば、「目標を立ててから始める子」と「とりあえず始める子」、どっちができる子ですかという問い。

面談、電話、メールなどで1万人の疑問に答えてきた沖山氏が答えるのですから、当然、常識を超えてきます。

 

でも、これを読む保護者の皆さん、すぐに答えを見ないで、まずはご自分で考えてみて下さい。

沖山さんが言うから正しいとかではなく、これらの問いに回答と理由を考えること自体が、お子さんのことを深く考え、学びの本質を知るきっかけになるからです。

 

その後、彼の話を読んでみましょう。プロなのでおそらくは「なるほどねぇ~」という答えでしょう。

でも、異なる答えだって当然あり得ます。

それに、お子さんの個性によって、当然答えは変わってくるはずです。

そこで発生する「賛同」「疑問」「批判」それこそが、保護者が本当に感じるべきことでしょう。

 

特に今の時代は(正解の暗記ではなく)「自分の頭で考え抜く力」が子どもたちに要求されています。

であれば、この話も鵜呑みにするのではなく、まずは保護者が自分で考え抜くことをしてみるといいのではないでしょうか?

 

この本には、37個の質問があります。

今、ちょっとずつ当てっこしながら、「なるほどね」とか「いや、こう思うけど」などと楽しみながら読んでいます。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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