【マイ・ブッカバ・チャレンヂ※その①】


【マイ・ブッカバ・チャレンヂ※その①】

「三ねんねたろう」


それまで私の出会った童話は、やれ「正直が大事だ」とか「努力せんと将来苦労するぞ」とか、大人どもが子どもに説教し、自分のふがいなさを憂さ晴らしする道具だった。

ウサギやキリギリスの風評被害は大きく、あのパワハラは現在なら訴訟ものだ。一定の価値観への同調圧力も半端ない。
あの洗脳を受けた人たちには、働き方改革がしっくりこないのもうなずける。成果を求めて人と違うことをするよりは同調の方が楽だろう。成果に目を向けよとのドラッカーの言葉はむなしく響く。

もう一つのタイプの童話は、ワラ一本にすべてをかける現実味のないギャンブル的な生き方のすすめ。これを読んで育った人がパチンコを我慢できないのだろう。嗚呼、貧乏くさい話できらいだ。

どちらの話もろくなもんじゃない。大人といってもこの程度だ。
その点、ねたろうは衝撃だった。

怠惰に伴う人生の甘美さを享受し、自由を謳歌する。そしてたま~にエエ仕事をして人々に尊敬される。このたま~にがポイント。子ども心をくすぐる。
C’est la vie. なんて素敵な人生なんだろう。こんな格好いい生き方があるんだ。

人は完ぺきではない。なまけたくもなる。そんな時、彼は耳元でささやく。
「ええんやで、寝てもさぼっても。たまにエエ仕事したら」
まるで♪ whisper words of wisdom, let it be ♪の一節だ。Beatlesもねたろうファンだったとは。

ボクはこれまで行き詰った時でもさぼり、安心して眠りについた、そういつも後半部分は流しながら。

時は流れ、たまのエエ仕事もなしえないまま、ねたろうの年齢も通り越した。成功とも尊敬とも無縁だが、納得ある生き方はしている。あと免疫力が高い気がする。

いまだにかれは、ボクのわずかな自己肯定感を満たし、多くの言い訳を与え続けてくれる。
「おやすみなさい。今日もいい一日でした。明日がんばろう。なんとかなるだろう」

教訓:少数派ではあるが、日本にも自由を愛する風土はある。(この絵本が50年に渡り読まれ続けていることに乾杯!)

※マイ・ブッカバ・チャレンジとは?
誰にも振ってもらえず、つなぐ相手ももたないのだけど、人のを見ているうちにうらやましくなって、一人でやるチャレンヂのこと。ルールはやぶる、がルール。

 

少しでも参考になればハッピーです!

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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