ピアニストとバイリンガルの秘密の関係


バイリンガルになるに際して、リスニングが最大の課題になると私は考えています。

皆さんも経験ありませんか?

リスニングの勉強ほど思ったように点数に反映されない。さらに言えば、テスト問題は聞き取れても、映画のセリフなんて到底聞きとれない。

 

インターナショナルスクールや帰国子女でない限り、レベルは様々あるにせよ日本人が英語を話せるようになるのはやはり大変なことだと思います。

「ピアニスト率=英語できる人率」

私の仮説として、ざっくりですが、上記の式が成り立つのではと思っています。

 

ピアノが人前でそこそこ弾ける人と、外国人とそれなりにディスカッションできる人

大体同じくらいの比率ではないかなと思うのです。

 

どうでしょう。ざっくり100人に一人くらい?

もっといるのかな、そんなにいないのかなぁ。

うーん、そもそも何をもって、弾けるとか話せるというのだろう…

かなりいい加減ですみません。笑

 

ただ、申し上げたいことは、どちらもそんなに多くはないだろうということです。

特殊な場所を除けば、インターとか音大とか、なかなか英語ペラペラとか、ピアノをかなり弾けるらしいよ、という人は少ないかと。つまり。。。

  1. バイリンガル(=英語が話せる日本人)はそんなに多くない。つまり、それだけ難しい。
  2. できる人は、かなりの時間を費やして練習をした。基本的には楽してできる方法はない。
  3. 完璧を目指すときりがない(=プロを除いては、目的レベルに応じた練習の仕方をすべき)

音楽スキルと言語スキルはリンクしている

言葉も音楽には共通項があります。

それは、音と意味です。耳で音を聞く、口か楽器で音を再現します。

よく指揮者などは、母国語と英語とドイツ語などマルチリンガルだったりするのを見ます。やはり耳がよいのだと思います。

実際、音楽スキルと言語スキルには一部で神経メカニズムが共通しているという研究もあります。下記の特に最後の一文です。

Musical aptitude and second language pronunciation skills in school-aged children: Neural and behavioral evidence
Riia Milovanov, Minna Huotilainen, Vesa Välimäki, Paulo AA Esquef, Mari Tervaniemi
Brain research 1194, 81-89, 2008
The main focus of this study was to examine the relationship between musical aptitude and second language pronunciation skills. We investigated whether children with superior performance in foreign language production represent musical sound features more readily in the preattentive level of neural processing compared with children with less-advanced production skills. Sound processing accuracy was examined in elementary school children by means of event-related potential (ERP) recordings and behavioral measures. Children with good linguistic skills had better musical skills as measured by the Seashore musicality test than children with less accurate linguistic skills. The ERP data accompany the results of the behavioral tests: children with good linguistic skills showed more pronounced sound-change evoked activation with the music stimuli than children with less accurate linguistic skills. Taken together, the results imply that musical and linguistic skills could partly be based on shared neural mechanisms.

私の身近な例で申し上げますと、HILLOCKバイリンガル幼児園のオーストラリア人講師がミュージシャンです。

アマチュアですけどかなりの腕らしく、ドラムがメインですが、ギターもキーボードもそこそこ弾きます。

彼は日本に来て2年ですが、2年とは思えないほど、本当に日本語が上手。

話をしていて感じたですが、おそらく優れたミュージシャンは以下の特徴を持っているのだろうなあと思います。

音への感度が高い:音をとるのがうまい(リスニング)、音を再現するのがうまい(発音)

音と感情(意味)をリンクさせられる:同じ音でも音色、ピッチ、トーンなどで表現を変えるのは、音楽も言語も同じ。リンクさせているのか覚えるのが早い(例えば同じ「悲しい」という表現を覚えるのでも「悲しい」の音と悲しさの音色やトーンをイメージして覚えるらしい)

本当にうらやましい。才能もあると思いますが、音楽を子供の頃にやってたらなあと思います。

ギターを断念し(バンドをあきらめきれずボーカルにw)、英語のリスニングで苦労した私としては、音楽的素養があったらといつも思うのです。(親は薦めたのですが、ピアノは女の子のやることだと幼きタケちゃんは全力で拒否したとのことなので誰も責められない…)

習得方法も類似すると考えられる

先ほどと重複しますが、第二外国語もピアノも、ある意味では母国語以外の表現を身につけることという意味では共通しています。そして、そのスキルは大きく「耳(音をとる)スキル」に依存しています。

ピアニストを目指すには、幼い頃から取り組むのが常識化しています。

10歳から始めても、理屈上はピアニストになれないわけではないでしょうが、絶対音感とか大人になってやろうとすると相当苦労する、いや、無理じゃないか。

幼い頃からやっている方が圧倒的に有利

では、やらせればやらせるほどいいかと言うと。

無理にやらせすぎるとイヤになる可能性が高い。

ピアノを習っていたけど、練習がいやで止めてしまった人も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

そして、幼い頃にやっているからと言って、それはあくまで基礎です。

最終的には、大きくなってからの「本人の努力次第」

やっぱり、中学・高校・大学辺りで、「よし、やるぞっ」と言って、気合いを入れた練習(ピアノなら弾き込み、英語ならシャドイングとか)を徹底してやることが最後には必要になります。

そこから先は、音楽なら音大・芸大、英語なら留学で磨きをかける、流れになります。

その時点になって、リスニングができない、音程が取れない、だと話にならないわけです。

バイリンガルへの王道

楽器と第二外国語習得は、資質(生まれ持っての才能)が大きく寄与するようです。

が、そればっかりは他の人と比べても始まりませんので、一人ひとりにとってできることと言えば、幼いころから耳だけは慣らす環境にいたほうが有利なのです。

幼い頃から「細く、長く、楽しく」、これが王道です。

ピアニストにならなくても、英語が話せるようにならなくても、幸せになる方法はいくらでもありますが、楽器が弾けた方が、あるいは英語が話せた方が「人生が豊かそう!」と思う保護者の方はぜひその環境を用意してあげていただきたいと思います。

もし、楽器を学ばない場合も、音楽とのリンクは考えておくといいかも。

「洋楽(と洋画)好きはバイリンガル化への近道」

と言います。

英語の学びの中にどんどん歌を取り入れていくと、覚えやすいとか耳や発音に有利という以上に、情緒面での成長にも効果的です

(人は社会的動物で、そのために「聴く」「伝える」が大切で、その行為はたぶんに情緒を含みます。コミュニケーションの3要素(ロゴス、エトス、パトス=論理性、信頼感、情熱)の3要素のうち、後者2つは情緒面に関するもの。これが、社会・感情教育の重要性の根拠にもなりうるでしょう)

あと少し話がずれますが、小さい頃からやっておいた方がいいことの一つは運動です。

子どもの頃にたっぷり運動しておく。これは一生の運動神経や体力の支えとなります。もちろん資質も大きくものを言うものの、やはり運動好きに育った方が身体面・社会感情面でもよさそうです。認識面でも効果的という話もあります。

 

そして、実はこの3つ共通点があります。

なんだと思いますか?それは…

運動、音楽、語学は、古代ローマ以来、貴族の教養だった

ギリシャの神様は竪琴やハープを引きます。モーツァルトも王族に教えてましたね。

貴族はそもそも戦争のときは体を張るので、鍛錬をしています(英国の王子も軍に入りますね)

ラテン語を学ぶのは教養の基礎でした(今もヨーロッパではたしなみの一つ)

 

生産活動をする必要がなく、暇がありふれている貴族が、人生を楽しく豊に生きるため、そして、地位や権威・権力を維持するために必要としたもの、それが「運動、音楽、語学」だったと私は考えています。

そして、お子さんの習い事で人気なのもこの3つかと思います。

なにか共通点があるのかもしれませんね。

 

この3つを重視しているスクールってどこかにありませんかね?

あっ、あった。「自然と人にふれあい、先進の学びを英語で学ぶ」がコンセプトの「HILLOCKバイリンガルスクール」!

結局、HILLOCKの番宣ですか? おあとがよろしいようで。笑

 

少し話がずれましたが、今回はバイリンガルとピアニストの比較で考えてみました。

ポイントとしては

1.英語を話すのもピアニストになるのもそれなりに大変

2.どちらも耳に関するので共通点がありそう

3.幼い頃からやる方が有利そう

です。

少しでも参考になればハッピーです!

 

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行(海外駐在やアジア戦略担当)を経て独立。2006年インターナショナルな環境で人と自然にふれあうプリスクール「キッズアイランド」設立。保育士。一女の父。週末登山家。

2019年教育起業家とともにNPO法人ソダチバ・プロジェクトを設立し、代表理事に就任。幼稚園でもインターでもない第三の選択肢「HILLOCK Kinder School」を設立。将来は「ヒロック・オルタナティブ小学校」を設立たいなぁと活動中です。
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