シリーズ「教育への情熱」:日本型プリスクールの伝道師 加藤太郎さん(上)


英語幼児教育の世界で、プリスクールという言葉を耳にしない日はありません。

この言葉、元々はアメリカの就学前スクールを意味するのですが、それを日本に適した形でプログラム化し、「日本型プリスクール」を全国に普及させた伝道師の一人が、今回ご紹介する加藤太郎さんです。

 【シリーズ「教育への情熱」とは?】

シュリーマン少年は、ホメロスの詩にあるトロイヤ遺跡を見てみたいという夢を見ました。数か国語を学び、貿易商として成した財をつぎこみ、ついには遺跡を発掘するのです。その粘り強い情熱に胸を躍らせた方も多いでしょう。

 私(堺谷)もこの執念のような情熱に心を奪われた元少年。(シュリーマンさん、実態はもう少し生々しかったとの話もあるようです)

 国際ビジネスマンから教育起業をして10余年の私ですが、教育界では「そこまでやりますか?」という熱すぎる(失礼!)大人に時おりお会いすることがあります。そして、これまた個性的で面白い人が多いのです。

 「自らを教育に捧げる人の話を聞きたい」という一念(野次馬根性とも言う)で、企画したこのシリーズ。その情熱や行動力を心からリスペクトし、私の憧れだったシュリーマンの自伝「古代への情熱」を模してタイトルをつけました。題して、「教育への情熱」。お楽しみください。

 

加藤さんが開発した「日本型プリスクールのプログラム」は、英語だけでなく発達段階を踏まえたプログラムとして、就園前教育の標準の一つに育ちつつあります。

主催するラーニングネットワークが開設支援した「プレイグループ」「ファーストラーニング」では、全国40校で約4千人が学んでいます。

 

創業以来20年以上に渡り、一貫して「グローバル化に対応した子どものプログラムの開発・普及」に力を注いできた加藤さん、その先見の明やセンスが輝いています。そして、その素顔はちょっぴりシャイで人懐こいという不思議な魅力があります。

 

そして、幼児教育にたどり着くまでの人生がジェットコースターのようで面白い!

(右が加藤太郎さん、左が筆者 @神保町ミロンガにて)

 

早稲田を中退し、イラストレーターに(さまよえる20代)

 

中学時代は野球部でショートとして活躍しましたが、野球ではプロになれないと判断し、イラストレーターでプロを目指すことにしたそうです。

その前に、見聞を広げたいという考えで、1年間過集中して早稲田大学に入学したものの、2年で中退してしまった加藤さん。

 

イラストレーターとして独立、広告関係や教材開発の仕事を手掛けました。

でも、イラストレーターの世界って結構厳しくて、ぽっと出の新人がバンバン活躍できるほど甘いものではないんですよ。

英語学校を経営していた両親が、子どもたちが英語を使えるようなキャンプやホームステイを手伝ってほしいと言ってきました。

横田基地の子どもたちと共同キャンプを開催したりしました。その時の私の生徒がもう30代から40代になるんです。

Facebookで交流が復活して、やっぱりうれしいですね。その中から起業する人もいて…

当時の生徒の話をする時、加藤さんはとてもうれしそうな顔を見せてくれます。

 

イラストレーターに終止符、挫折を味わう

子どもたちとの交流を楽しみながらも、アーティストとしての道をあきらめきれない加藤さんは、勝負に出ます。

アメリカに渡り、知り合いのツテで画家に直接自分を売り込みに行ったのです。

帰ってきたのは強烈な言葉でした。

『Taroには確かに絵の才能がある。しかし、君くらいの才能のアーティストはアメリカにはいくらでもいる』

まあ実際、本場のプロのアーティストの圧倒的な画力を目の前にしたら、もうこれは勝てないなとなったわけです。

時を同じくして、キャンプを通して交流があったホビーさんから

『Taro、君のその才能を、ビジネスをデザインすることに生かしたらどうか?』とのアドバイスをもらいました。

おりしも、娘さんが誕生したタイミングでもあり、加藤さんは10年間もがき続けていたイラストレーターをすっぱりとあきらめることにしたのです。

キャンプを学ぶため、カリフォルニアでかばん持ち

そして、キャンプ・ビジネスで身を立てることを決意します。

前述のホビーさんは、カリフォルニアの名門デイキャンプ事業を行う「ラフィング・イット・デイキャンプ」のCEOでもあります。

弟子入りして、それこそかばん持ちから始めました。カリフォルニアの各地をスライドショーをしながら回るわけです。参加者集めです。

他にも、キャンプサイトの選び方、プランの立て方までキャンプに関する全てを一から手ほどきを受けました。ホビーは今でも私の師匠です。

ラフィング・イットのキャンプを見て、『美しいプログラムだな』と思いました。

このキャンプ・プログラムを日本に普及させたいなぁ。

国内に帰ってから奔走し、奮闘のかいもあって、徐々にビジネスは拡大していきました。

(ミネソタ&日本交流キャンプの時の写真。アメリカの子どもたちを日本に招待しました)

(サンフランシスコのキャンプステイに日本のキャンパーを連れて行ったときの写真)

二度目の挫折

しかし、ここでも壁にぶち当たります。

カリフォルニアのカラッとした気候と違って、やっぱり日本は雨が多いんです。雨だと翌週繰り越しで調整したりとか。開催できる日程も限られてきますし。

夏休みがアメリカは3ヶ月です。それに、単にイベントとしてのキャンプだけではなく、バケーションケアとしての役割も担っているので、経営が安定しているんです。

ニーズはあるが日本では事業として成立するマーケット規模がない、しかも、気候や夏休み期間など自分たちではコントロールできない問題に直面にしてしまいました。

 

これじゃぁ、何人もかかえて食っていけない

 

二度目の挫折… 肩に重くのしかかります。

 

日本型プリスクールの伝道師:加藤太郎(中)へ続く>

 

 

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