体罰ってまるで身分制じゃないですか?


それにしても「体罰」ってちょろちょろ出てきますね。

私はこの呼称がいけないのだと思います。もうやめにしたらいいのにと思います。

私にはただの「暴行」や「傷害」としか思えません。

それなのに「体罰」とか「行き過ぎた指導」とか「ゆるーい呼称」で呼ばれているのです。

 

体罰が騒ぎになるたびに、情報番組などで「賛成か反対か」みたいな特集になって…

「オレは賛成派」みたいな芸人が出てきて「本気で考えてくれたあの先生のおかげで…」とか言い出すわけです。

これは絶対におかしい!と私は思うんですよね。

立場によって罪が変わるのは身分制

少し前に生徒を殴っている高校教師の動画が出回りました。

始めは「暴力教師、ダメじゃん」みたいな話だったと思うのですが、生徒側の挑発的な発言などが注目され、途中から教師の肩をもつ声も聞こえてきたり…

 

マジですか?

・あの生徒は大人をなめている、示しがつかない。

・あれが大人や教師に対する態度か?

・生徒の側がはめているではないか?

・あそこまでやられたら立派な教師でも切れる,etc.

「大人や教師」を「侍」に、「生徒」を「農民」に置き換えてみる。あるいは「上官」と「一兵卒」に。

これは完全に「身分制」の発想です。

 

日本ってそんな社会でしたっけ?

「斬捨てご免」が通じるのはお侍さんだけ~

強い側の立場の罪が軽くなるのは、身分制の国だけ~

今、江戸時代ですか~? OECD諸国でそんなところありますか~?w

サラリーマンが高校生を殴ったら一発アウト!

学校の外なら「手を出したら負け」です。たとえ、何を言われても。

日本は法治国家で、私的な暴力による問題解決は認められていないのです。

ましてや相手は未成年です.

サラリーマンが通勤途中で高校生殴ったら、大変なことになります。

「なぜ学校では教師に有利なスペシャルルールが適用されるのか」根拠が知りたい。

(指導の一環?旧陸軍の鉄拳がそんな感じでした。指導者に対する尊敬の念が足りない?それは法ですか、マナーですか?)

 

現実はそんな甘いもんじゃないという人はいるでしょう。現場を知らない人間の机上の理論だとか。そうだと思います。

まあ腹も立つでしょうし、恐かったりもしますよね。

教員も守られるべき、ただし、暴力以外の方法で

私は生徒や保護者側からの理不尽も相当ひどい時があると思います。

それに対して、学校や教員側も守られる必要があると思います。ただ~しっ、暴力以外の方法で!

 

殴らずに色々と方法を探りませんか?

・コーチングのスキルを身につける

・2人以上のチームで対応する or 人を変えて対応する

・態度不良ならそれに応じた停学などのルールを適用する(殴るのではなく)

・あまりひどい場合は警察や裁判所に行くのが世の中だと伝える、実際に行く、等 ここに知恵を絞るべき。

 

殴ってしまった教師を擁護したい気持ちもわかります。

熱心だったり評判が良かったりする人もいるでしょう。

「罪を憎んで、人を憎まず」です。

でもね、「アカンものはアカン、罪はきっちりと。そのあとにセカンドチャンス」がモノの道理ではないでしょうか?

先進国なら逆の発想では?

指導で殴る?

現代の文明国家で、どんな局面でも子どもを殴ることが正当化されるなんてありえないと思います。

ましてや、教職は「知を愛し、それを伝える職業」のはず。

むしろ先進国的には逆の発想ではないですか?

対抗手段を持たない未成年は、いっそう保護されるべきである。

教員は、暴力は絶対ダメだし、その権力・権威は抑制的・理性的に行使すべきである。

 

なんと言っても、どんなに腹が立っても踏みとどまっている無数の教員がいらっしゃるのです。

それは、暴力ではなく理性で解決したいと考えているからではないでしょうか。

PS:身分制の構図は他にもある

この身分制の構図、日本には他にもたくさんあります。

「教師―生徒、先輩ー後輩、上司ー部下、親ー子」の身分の差。

これが、虐待、体罰、いじめ、パワハラなどの非正義や人権軽視を生む土壌になっています。

本来美しい関係のはずなのですが、形骸化するとマイナスに働きます。

 

力の強弱関係による理不尽は世界中の社会のどこにでも存在しています。日本だけではありません。そして、なかなかなくならないと思います。

ただ、その理不尽をどうやってなくすか、社会としてどうコンセンサスを取ろうとしているか(例:立法化しようとしているか)に知恵を尽くしているかどうか、そこに社会の真の豊かさが反映されると私は思います。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

キッズアイランド代表、HILLOCK Kinder School代表。NPO法人ソダチバ・プロジェクト代表理事
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