先日の講演より(13)非認知的能力・スキル~続き


スライド・シェア・シリーズ(13)では、非認知的資質・スキルに関する一般論・概要について述べたいと思います。

注目される非認知的資質・スキル

アメリカのヘックマン教授がリサーチを踏まえ提案したことが有名です。

  • 人生の成功にはお勉強以外の要素(非認知的資質・スキル)が大きい。
  • 非認知的資質・スキルは幼児期に獲得される
  • 貧困層に幼児教育を提供すると社会投資として効果的である

の3つが骨子です。

(ご参考:非認知に関するブログ ヘックマン幼児教育の経済学の書感はこちら

ヘックマン教授はノーベル賞学者(別の研究)なので、みんなウォーとなった感じではないでしょうか(笑)

 

上のスライドで点線で囲んでいるところが留意点です。

つまり、上乗せ効果は未知、因果関係は未証明、遺伝か獲得可能か未整理、という点です。

 

あと、この「成功の定義」ですが、「学歴」「持ち家比率」「犯罪歴の有無」などによる経済面を数値化しています。

単純図式化すれば、貧困層向けに幼児教育を提供したら「刑務所に入る」代りに「働いて稼ぐ」ようになるので、社会的メリットが大きいという話かと思います。

 

一般的に想起される「非認知的資質・スキルは大切!」といった無邪気な話ではないかなぁと言う点は気をつけたいです。

(日本は、保育園・幼稚園への通学比率が高く、犯罪率も低いので、そのまま適用できる話ではないと思います)

 

非認知的資質・スキルのポイントと留意点

非認知能力の事例としては「ガマン強い」「やり抜くチカラ」「他者との協働」などが言われています。

認知能力(お勉強系)以外は全て含まれますが、社会・感情面と大きくかぶってきます。

 

私は、日本人的にはやり過ぎてしまわないかが心配です。

ひたすらガマンだとか、やり抜くんだとか、みんなやっているんだからお前もやって当然だとか、竹やりでつっこめ、とか。

得意の「根性論」になりそう。部活とかこんな感じのところいっぱいありますよね、きっと(笑)。

 

特に「非認知は資質かスキルか、つまり遺伝か後天的に獲得可能か」などは冷静でありたいところです。

 

元々「人付き合いが好き」な人が、「協働が上手」になって成功したのであれば素晴らしいことです。

でも、一人でコツコツするタイプの人に協働を無理強いして、劣等感を持たせるようであれば、賢明ではありません。

人が生まれながらにして持つ性格や資質を認めることも大切です。資質は、遺伝的要素がかなり強いものと言えます。

 

ある種の限界を理解した上で、経験する機会を準備していくのがいいと思います。そこから何を学ぶかは子ども次第です。

(ご参考:人はそれぞれブログ「三つ子のお母さんに教えていただいたこと」

 

大人サイドが「かんじんなものを心で見る」ことから、非認知的資質・スキルへの理解は始まると思います。

 

3つのC

様々な種類が取りざたされていますが、私がオススメするのは次の3つです。

Confidence、Collaboration、Creativity

次回から詳細について一つひとつ見ていきたいと思います。

 

(ご参考:「3つのC」で参考にした書籍「科学が教える、子育て成功への道」の書感

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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