先日の講演より(12)非認知的能力・スキル


今回から「第五部:非認知的能力・スキル」についてです。

第一部~第四部の振り返り

今での第一部~第四部は、この話をするためのいわば前段階と言えます。

少し講演の全体像を振り返ります。

第一部「教育ってなに?」では、教育の目的をどこに置くのかの「そもそも論」について話しました。

私なりに教育を「子どもの自立を大人がサポートすること」と定義付けました。

 

第二部「過去からの教訓」では、数万年のホモサピエンスの歴史から学べるものがないか「過去」を見ました。

「自然や人とふれあう」や「大人の効率化を持ち込まない」大切さについて考えました。

 

第三部「未来への備え」では、「不確実さが増す」であろう「未来」を展望してみました。

小手先の知識より、様々な能力を組合せて「オリジナルのチカラ化」が大切では?、個人的には「夢中になるチカラ」「世界を感じるチカラ」「起業するチカラ」の重要性を提案しました。

 

第四部「海外の学び」では、「世界(=地理的な広がり)」を意識して、世界の学びについて駆け足で見ていきました。

日本の良さを次世代に向けて活かしていくためにはどんな観点が必要か、私は「少人数クラスの実現」による一人ひとりの育ちに寄り添うことが大切だと思います。

 

これら「そもそも論」「過去」「未来」「世界」を踏まえて、第五部では「非認知的資質・スキル」を大切にしていくことを提案します。

そのためには、何より大人が変わる必要があります。子どもの世界とは、大人の世界の反映です。

大人たちが大切にするものを大切にし、ないがしろにするものをないがしろにします。

 

例えば、「目上の者が下の足らずを指摘して正すのが教育・指導」という考えを引きずる限り、子どもは「自分は足りない存在」と受け止め、「指摘され・正されるのを待つ人間になる」のではないでしょうか。

その状態が、小中高という柔らかな12年間もの期間続けば「自分に自信を持てない指示待ち人間」が生まれるのも不思議ではないと私は思います。

 

非認知的資質・スキル

It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」(サンテグジュペリ)

 

非認知的資質・スキルは、まさに心で見るべきかんじんなことです。生きていくうえで、なぜなら内面を満たしてくれるものだからです。

 

幼児教育の世界では「身体面(Physical)」「社会・感情面(Socio-emotional)」「認識面(Cognitive)」の3つに分けて考えることが多いです。

このうち「社会・感情面」が今回の「非認知的資質・スキル」と重なります。

 

身体面や認識面と比較すると、社会・感情面は「人と接することでしか開花しない」のが大きな違いです。

やはり人は社会的動物だと言うことですね。

 

大人は実はわかっているのです。

「幸せに生きる」という点で、子ども時代のテストの点数の占める割合が小さいことを。与えられた問題を解くことももちろん大切。

でも、大切なことは他にももっと、いや、他のことにこそもっとあることに気づいているのです。

 

頭ではわかっていながら、大人はとかくテストの成績や学歴など目に見えるもので評価しがちです。自分がされていやだったのに。

 

大人こそ「目だけで見える世界から自らを解き放てるか」、そして「その解き放たれた心で目の前の子どものかんじんなことを見ることができるか」。

そんな時代になってきていると思います。

 

 

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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