先日の講演より(11)学びの海外事情ー続きの続き


学びの海外事情の続きです。

今回はキーワード特集。ご存知の方もいらっしゃるでしょうから、軽いトーンでご紹介します。

STEM教育

「Science, Technology, Engineering, Mathematics」の頭文字をとったもので、いわゆる理系科目です。

これから導入されるプログラミングなどもこの系譜です。

Artと併せてSTEAMと言われることもあります。

 

私は当面は「表現の時代」であって、STEMや芸術は文字とともに「表現のために必要な素材やツール」として身につけるべき教養となっていくと理解しています。

ただまあ、興味を持てない子どもに、無理強いしないようにしたいなと思います。

(ご参考:理系教育について書いた過去ブログ「だからアメリカの理系にはスーパースターが生まれるんだろうな」)

 

ブレンディッド・ラーニング

 

オンライン教育で学びの個別化が可能な環境がそろいつつあります。

それによって、子ども一人ひとりのペースで学べるのではないかというアイディアです。

オンライン教育のMOOC(Massive Open Online Course)などは修了率が低かったりするので、色々と工夫は必要かと思います。

 

学びは、知識に触れる・覚えるというだけではなく、ともに活動する要素も大切です。

社会では、より大きなことを目指して、一人ではなくチームで取り組むことがほとんどだからです。

 

「一人ひとりに最適な学び」と「協働する体験」の2つを最適化する流れが今後出てくると思います。

それによって、学校や教師、地域社会などのあり方も変わってくるかもしれません。

(ご参考:ブレンディッド・ラーニングの書感ブログ(訳者小松健司さんとのお話を含む)

探究型学習(PBL)

日本ではよく「探究」と言われる学び方です。

高校生レベルになると「地域の公害問題をどう解決するかを様々な角度から調査して、解決策を提案する」など、地域社会に直結した課題に取り組んだりするうようです。

 

理科のテストでは日本の高校生の方がより高得点を取るかもしれませんが、社会に出てからのスキルという意味ではPBL(探究)は、実践的で効果的だと思います。

課題の捉え方、情報の集め方、複数の解決法を考える、プラスマイナスを比較するなど社会でよく使う一連の流れを具体的に体験することができるからです。

まとめ

海外を見渡すと、先ほどのSTEM、PBL、オンライン教育活用など様々な取り組みがあります。

一概に比較できないですが、日本も鎖国しているわけではないのでw、世界のスタンダードや好事例を知っておくことや上手く取り入れることは大切。

 

学びの対象やスタイルに比べるとあまり引き合いに出されないのですが、私が気になるのはクラスのサイズです。

特に、海外の富裕層教育の共通点はクラスサイズが小さいこと。

 

日本は一クラス当りの人数が多すぎて、途上国時代の「とにかく大勢の子どもに、手っ取り早く、低コストで」の名残のように見えます。

これだけ多いと「教師サイドの都合でクラスを回す」のが手一杯では?

子どもは回される対象。

 

 

プログラミング、英語教育前倒し、アクティブラーニングなども少人数制じゃないとけっこうきついのではないでしょうか?

「それは現場の工夫で」ということでしょうが、教育現場もやることが増える一方で疲弊気味との話も耳にします。

 

多くの問題は、少人数クラスにすることで解決されることも多いと思います(40人→35人とかの小さな話ではないですよ。例えば、20人にする勢いの話です)

もちろんお金はかかります。ただ、国のステージとともに教育も変えていく必要があると思います。

国民として、どこに限りあるお金を配分するのか?そんな時代が来ている気がします。

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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