先日の講演より(7)未来への備えー続き


第三部:不確実な未来の続きです(前のスライドはこちら

時代が不確実になっていく時、どんなことが大切なのでしょうか。

保護者の想い

突き詰めると親としての想いは「幸せになってね」ということかなと思います。

で、この想いを分解すると、スライドのように2つに分けられます。

①自分らしさを大切にしてほしい

②メシが食べていける資質・スキルを身につけてほしい(略して「メシ・スキル」と呼びます)

 

将来の心配のあまり、親心としてはどうしても「メシ・スキル」にかなり引きずられて、「勉強は!?」とか「受験どうするの!?」とかになってしまいます。

ましてや、これからは「不確実な時代」とか言われちゃうと、不安がつのります。

 

「教育は今までのままでいいのか?」

多分、今のままだけだとダメなのでしょうね。実際、従来の受験対策の塾だけでなく、サイエンス、プログラミング、探究型など新たな学びのスタイルが民間でどんどん出てきています。

 

少なくとも小手先の知識を記憶するだけに時間を費やすのが賢明とは言えません。

 

知能を広く見る

多重知能理論(MI:Multiple Intelligence) ってご存知ですか?私も最近知りました。

知能を幅広く捉えて、8つの領域に分ける説です。(スライドで周りに書いた「ロジックの時代」「表現の時代」「非認知的資質・スキル」は、私が付け加えたものなのでお忘れください)

個人的には、言語的能力のうち「母語」と「外国語」は別の才能のように思えますので、分けて考えたいところです。

 

ペーパーテストで人の総合的な能力(食っていく力とか)は測れないのは自明なのですが、学校現場で「測れるもの」の呪縛から逃れるのはまだまだハードルが高そうです。

 

MIでは、

①この中から得意な知能を見つける

②組み合わせながら、何かに取り組む(→それにより、各能力も更に開発される)

ことを勧めています。

(私がこの理論を知るきっかけになったのは有賀三夏さんの著書です。有賀さんとのお話はブログ「Art教育の意義」をご覧ください)

 

時代の先行きが読めなくなるほど、表現は粗いですが「人生、でたとこ勝負」とか「行き当たりばったり」な面が出てくると思うのです(笑)

そんな時に役に立つチカラというのは、その人の内面からあふれ出る様々な能力や感性を総動員させて創り出すチカラだと思います。

決して表層のスキルではないでしょう。

将来使えるチカラ

「人間は総合力」ですから、幅広い知能を組合せて「チカラ化」していくことを意識した方がいいと思います。

私がオススメする「チカラ」は、上記の3つです。ただし、これは私の個人的体験から来ているものです。

  • 夢中になるチカラ(ザリガニ探しが楽しくて、幸せな子ども時代を過ごせたこと)
  • 世界を感じるチカラ(海外に留学・駐在して、世界が広がったこと。幸せの形は色々だということ)
  • 人の役に立つチカラ(自分でも役に立てるんだと思えると、頑張ろうと思えること)

 

一人ひとり違ってきます。オリジナルな力であるべきでしょう。

それぞれの子どもが、自分の性格・興味・得手不得手などをベースにゆっくりとチカラをつけていけるといいですね。

ご家庭としては、それらをサポートするような環境を用意できると最高です。

 

そこで大切なのは、座学だけでなく、特に身体性を伴う経験、強い感情を伴う経験をすることだと私は思います。

五感を使う体験をすることで、総合的・統合的に様々な力(MIで言う8領域の知能)が伸びていきます。

テストの点には反映されないけれど、土壇場で身体の中から湧き上がる時の力強さのようなもの、それは体験から来るものだと考えます。

 

 

<堺谷武志の略歴>

大阪出身、京都大学工学部、南カリフォルニア大学MBA、三菱UFJ銀行を経て、キッズアイランド設立。保育士。一女の父。週末登山家。

現在「都会の子どもに『ソダチバ』を!」プロジェクト推進中
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